木村理絵
キーワード:楽譜、移調 音符
私は吹奏楽団で活動してきました。演奏していく上で,楽器の編成や人数の関係上、自分が吹いている楽器(パートといいます)以外のパートの楽譜を吹くことがあります。しかし、ただ単に楽譜を渡してここの部分を吹いてというわけにはいきません。それはなぜかというと、楽器ごとにそれぞれ調があるからです。例えば、トランペットとアルトサックスが、「ド」の音を出すと違う音がでます。それぞれの楽器では「ド」の音なのですが、調が違うため違う音を出しているように聞こえるのです。この違いを統一するために実音があります。実音というのは、ピアノやギターなど一般的に知られている楽器が出す音です。ピアノが「ドレミ」と弾いたものをトランペットで同じ音で吹くと楽譜上では「レ、ミ、ファのシャープ」、アルトサックスは「ラ、シ、ドのシャープ」と楽譜上ではなります。このように違う種類の楽器から別の種類の楽器の調に合うように変換することを移調といいます。移調は今まで自分の頭で変換し,手書きで楽譜にしてきました。しかし、間違いがあることや少し面倒であるとうこと、楽譜の細かい部分を手書きで再現することはとても難しいということがあります。楽譜はただ単に音符やその他の記号を書けば良いというものではありません。楽譜は音符の種類によって、音符と音符の幅により音の長さをわかりやすくしています。演奏者にとってこのことはとても重要な意味があります。音符と音符の幅で音の長さ(リズム)を判断していることがあるからです。曲のイメージをつかむためにもこの音符と音符の幅は大事なのです。
そこで、今まで手書きをしてきたこの移調と楽譜作成ができるソフトをDelphiで作れたら、今後の吹奏楽団の活動の手助けができると思い、卒業研究のテーマに決めました。移調は規則に基づいたことなのでシステム化することができます。このソフトにより、手書きよりも楽譜の細かい部分を再現することができ、今までより早く、見やすく移調作業と楽譜作成ができると思います。
このシステムは楽譜作成システムと移調システムの2つのシステムからなっています。楽譜作成の主なプログラムは共同研究者の細川が研究開発しました。私は、ペイントで音符や休符、シャープ、フラット、ナチュラルの画像を作成し、イメージリストを使い設定しました。また、移調システムにより、音の移動と調の変換を可能にしました。
今後の課題については、作成した楽譜を演奏させる機能をつけ、間違い等を見つけやすくしたいと思います。楽譜にはこのソフトで実現したもの以外にもたくさん記号や法則があります。例えば、スラーやタイ、3連符などのつながった音符は現段階では表現することは難しく限界があります。もし、これらの機能を実現することができたなら、今の段階では多少の手書きを必要としますがこのソフトだけで完璧に楽譜が作成できるようになり、より本物の楽譜に近いソフトができると思います。
指導教員 森田彦