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第一章 序論

近年、オブジェクト指向が近年ソフトウェア開発の手法として注目を集めている。オブジェクト指向の特性がWindowsを代表としたGUI環境における開発に適していることもあって、現在普及している多くの開発ツール(Visual C++ , Delphi等)ではオブジェクト指向に基づいたソフトウェア開発が可能となっている。

オブジェクト指向に基づく開発は柔軟な拡張性や情報隠蔽による生産性の向上、継承による再利用性の向上など多くのメリットがあるが、反面、従来の構造化プログラミングとは異なる点が多く、正確な知識を持っていないと、逆に生産性の低下や再利用性の低下を招いてしまう。このことから、一般に「オブジェクト指向は難しい」という認識が定着しているのが現状である。

私がオブジェクト指向に問題意識を持つことになった契機は、2000年の1月頃からJava言語に興味を持ったことである。私は春休みの時間を利用してJava言語の自学自習を始めた。初めのうち、Java言語の文法はC言語に類似していたことから容易に理解できた。しかし、Java言語の核心となる「オブジェクト指向」については、書籍やWebページの解説では上手く理解できず、結果として不完全な理解に終わってしまった。

結局、2000年夏に友人にオブジェクト指向について詳しく教えてもらい、私自身はオブジェクト指向を詳しく理解することができたのだが、書籍やWebページの解説ではオブジェクト指向を詳しく理解できなかった点を不満に感じた。このことから、オブジェクト指向をわかりやすく理解してもらうための自学自習環境を準備することを考えた。

2000年度から森田ゼミではプログラミングに関する教材をWeb上で公開し、学生が自らのペースで学習を進められるように環境の整備を進めている。2000年度は各自に配布された「プログラミングB」のテキストをWeb上にオンラインテキストとして掲載し、講義における学生の理解度向上への試行がなされた。

2001年度は2000年度に引き続いて「プログラミングB」テキストの内容をWeb上に掲載している。私は、2000年度から2001年度にかけて「プログラミングB」テキストの原稿をHTMLへ変換する作業や、課題プログラムの動作確認等の作業を手伝った。

このこともあって、オブジェクト指向プログラミングをより多くの人に理解してもらう手段として、オンラインテキストを用いることが適切と考えた。

理由は、

  1. 各自が都合のよい環境で自学自習が可能である点
  2. 印刷物と違い、容易に内容の追加・修正が行える点
  3. すでに「プログラミングB」の講義で運用の実績がある点

の3点である。

そして、オンラインテキストを同じくゼミに所属している村上和也君と共同で「オブジェクト指向入門」として作成することを卒業研究として計画した。