個人の目次へ - 全体の目次へ
論文へ

オブジェクト指向の研究およびオンラインテキストの作成

大森 啓史

キーワード:オブジェクト指向、プログラミング、教材、、オンラインテキスト

2000年初め、私はJava言語の自学自習を契機にオブジェクト指向に興味を持った。しかし、既存の書籍やWebページの解説ではオブジェクト指向を上手く理解できず、結果として不完全な理解に終わってしまった。その後、友人の助けもあってオブジェクト指向を十分に理解することができたが、このことから、自らの経験を何らかの形で具体化できないかと考えた。

昨年度から森田ゼミではプログラミングに関する教材をWeb上で公開し、学生が自らのペースで自学自習をできるように環境の整備を進めている。そこで、今年度の「プログラミングB」を履修した学生のレベルを対象に、解りづらいとされるオブジェクト指向プログラミングを体系的に理解できるオンラインテキスト「Delphiによるオブジェクト指向プログラミング」を作成することで、自らの経験を卒業研究として具体化することにした。

本研究では、解りづらいとされるオブジェクト指向プログラミングをどのようにして解りやすく伝えるかを検討し、研究テーマの類似した村上和也君と共同で自学自習によって設計・分析からプログラミングまでを理解できるよう配慮したオンラインテキスト「Delphiによるオブジェクト指向プログラミング」を作成した。

内容は「基礎知識」「ボールが動くプログラム」「モグラたたき」「複数のフォームを持つプログラム」4つの章に分かれている。私は主に「基礎知識」の章と課題プログラムの解説を担当した。

まず、技術動向やオブジェクト指向プログラミングの歴史について「基礎知識」としてまとめ、基礎知識の習得とともに学習者へのアドバイスを与えた。「ボールが動くプログラム」「モグラたたき」では、実際に課題プログラムを与え、課題プログラムを組むことによって分析・設計からプログラムまでをより深く理解できるよう配慮した。「複数のフォームを持つプログラム」では、より応用的な学習へ進めるためのヒントとして、前章での学習の内容を踏まえた応用例を示した。なお、プログラミング言語は「プログラミングB」の講義で用いているBorland社のDelphi(Object Pascal)を用い、「プログラミングB」を受講した学生が違和感なく学習を行えるよう配慮している。

このオンラインテキスト「Delphiによるオブジェクト指向プログラミング」は、私自身が現状のテキストでオブジェクト指向プログラミングを理解すること難しかった経験を踏まえて、より理解しやすい内容を目指して作成した。研究段階における問題点の指摘を踏まえて、より応用的な学習を求める要望に応えられるよう、内容の追加・修正を行った。

しかし、完成したオンラインテキストは参考文献の事例に頼る結果となってしまい、従来のオブジェクト指向プログラミングの解説と比べて理解しやすい教材とは言えない。また、適切な情報収集が行えなかったことや教育全般の知識が不足していたことから、学外の学習者の利用への考慮が足りない、課題プログラムの解説が理解しづらい、基礎知識と課題学習の関連性が薄いといった課題が残った。今後は、これらの課題を踏まえたうえ、より多くの学習者が理解しやすいオンラインテキストを準備する必要がある。

なお、本研究は村上和也君との共同研究である。

指導教員:森田 彦